2010年11月14日日曜日

直視せよ!OTTO DIX展に行ってきました【伊丹市立美術館】


直視せよ!という言葉と、ガスマスクをつけた兵士の不気味な銅版画が強いインパクト。第一次大戦に従軍し、ソンムの激戦にも参戦したDIXは間違いなく混乱と競争の時代の証言者だった。社会の矛盾を訴えなければいられなかったのであろう。日本であれば、小林多喜二や武田麟太郎が描いたものと同じものが底流に流れている。女性がコルセットから解放され、ジャズが流れた時代は、プチブルジョアが喧騒と狂躁に踊った社会であり、ミュージカル「キャバレー」を思わず想起したが、その同じ時代はやはり貧困と矛盾に満ちていたのだ。そしてその矛盾を解消すると「期待」されたのが、ヒットラーだったという不幸。これを改めて考えさせられた、小規模ながら手厳しい展覧会。12月19日まで。

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